赤道直下のMERRY

Vol.281 2009.7.03 FRI

2004年12月26日、インドネシアを襲った「スマトラ島沖大地震」。
未曾有の大津波から5年目を迎える今年ー。
赤十字の復興支援活動によって完全復興にむかっている
スマトラ島・バンダアチェを訪れ、
前を向いて生きる子どもたちの笑顔を取材しました。
(総取材期間:2009年6月22日~7月2日)

1)太陽のような笑顔たち 
それはまるで南国のフルーツのような。
甘くそして魅力的なエネルギーに満ちた子どもたちの笑顔がそこにはありました。
ギラギラと赤道直下の太陽が照りつけるバンダアチェ。
赤十字が支援する村をはじめ、
津波からの復興を願う公園、孤児院など様々な場所で出会う笑顔は
どれもピュアで美しいものばかりでした。

撮影していると「セニョーム!セニョーム!(笑って!笑って!)」と
いつの間にかどんどん輪が広がり、
お母さんたちが私の子が先よ!と争うくらいの人気ぶり。
ジルバとよばれるイスラムのかぶりものを纏った女の子の笑顔は、
エキゾチックで美しく、幻想的ですらありました。

みな恥ずかしがりだが、
うちとけると途端に陽気になり、大きな笑いが連鎖する。
ラムチョ村での「私はアチェを愛しているわ!」と叫んでいた女の子、
孤児院でなかなか笑わず、友達のおかげでようやく笑顔を取り戻せた男の子、
デサラヨンの漁村で障害を持った男の子の包み隠さないパワー、
そして津波パークで3度も会った片親のいない姉弟。

地球をスイングさせるかのような
大きく愛に満ちた突き抜けた笑顔たち。
そう地球は愛と笑顔で回っている!

子どもたちと共にクリーンアップも実施。
アチェがより美しい街になることを願ってひとつひとつ丁寧にゴミを拾いました。

そして「あなたにとってMERRYとは何ですか?」
と四川に引き続き世界中で問いかけてきた質問をする。
子どもたちは曇る事なく笑顔で答えてくれました。
「津波?辛かったけど今はハッピーに生きていくことが私のMERRYよ!」
南国の夕日をバックに語るその子の目は、
希望を持った力強い眼差しで明日を見つめていました。

2)津波と赤十字、そして未来へ 
バンダアチェでまず驚くのが海岸沿いには、
カラフルでいかにも新築の家やモスクがずらっと並んでいること。
津波ですべてを流され新しく建てられた様々な建築物が、
南国の空とあいまってある種奇妙な光景を作り出しているのです。

津波はもちろん現地でもTSUNAMI。
何十mもの高さで襲った波の刻印が街中に。
そして海から5kmも離れた場所に運ばれた発電船、
家の屋根の上に乗っかったままの船など、
津波の想像を絶するエネルギーを物語る傷跡がモニュメントとして
そのまま観光産業となっています。

街を巡ると各国の赤十字の車、
そして海沿いや山あいの村の看板にも赤十字のマーク。
世界中からの支援が赤十字の活動と共に
直接アチェの人々に役立てられ、その場所は確かに完全復興に向かっています。
今回赤十字のプレスカードを取得していったのですが、
どこへいっても感謝の気持ちを表し歓迎してくれる人ばかりでした。
やはり世界で活躍する赤十字の活動はすごい。

最終日にPMI(インドネシア赤十字)の方々の前でレクチャーしたこともふまえ、
アチェがこれからも完全復興にむけてより良い街になっていくこと、
そしてアチェの人々が自分たちの街を積極的に作っていく動きが生まれること。
とにかくアチェの人々自身がもっとMerryになれるよう心から祈っております。

今回撮影に関わってくださった赤十字の方々、
そしてボランティアの方々、本当にありがとうございました。

3)イスラムの文化と南国の風が交差するアチェ 
まるで世界中に響き渡るような崇高なアザーンの響き。
色とりどりの極彩色のジルバをまとった女性たち。
栄養をたっぷり含んだとれたての魚や果物のおいしいこと!(ココナッツ!)

インドネシア・スマトラ島北端に位置するナングロ・アチェ州の州都バンダアチェ。
インドネシアで最も敬虔なイスラム教徒が居住する地域であり、
普段の礼拝はもちろん金曜日には2時間も礼拝し、
教えに反するものを取り締まる宗教警察もある。

ここは30年もの間紛争をくり返しており、
皮肉にも津波発生によって和平協定が結ばれました。
しかし津波からどんどん街が再興していく中、
再び争いが起こるのでは…という懸念の声も。
やはりアチェの人々自身の平和を願う思いが大事。

しかし人々は本当に素晴らしい。
どこでもフレンドリーで心が澄んでいる。
ここで見たものは一面に過ぎないかもしれないが、
やはりメディアで得る情報と生の情報は圧倒的に違う。

スマトラ島沖地震・津波災害から今年で5年目。
MERRYな笑顔は津波に負けず光り輝いていました。
中国に引き続きこれで25カ国目。
これからもMERRYな笑顔に出会うために、
そして世界中にMERRYな笑顔が溢れていく事を願っています。

MERRY IN ASIA ライブレポート スマトラ編
→1日目:愛は地球を救う!
→2日目:路地裏の笑顔たち
→3日目:バンダアチェへの道
→4日目:Senyum!Senyum!
→5日目:太陽と虹のMERRY
→6日目:雨がくれた南国の出会い
→7日目:On The Beach!
→8日目:ドラマティックな再会
→9日目:856のMERRY
→10日目:MERRYな笑顔の街づくり


→四川レポートコラムはこちら

※MERRY IN ASIAに関して、ご協力いただきありがとうございます。
日本赤十字社
中国国際航空
ガルーダインドネシア航空
FUJIFILM
堀内カラー

次回のMERRY COLUMNもお楽しみに!

CLOSE

メリーって?
メリーからのお知らせ
プロジェクト紹介
参加する
購入する
著名人からのメッセージ
お問い合わせ
ソーシャルネットワーク
メールマガジン

×

ページトップへ