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ストリートのエネルギーが、私をハッピーをしてくれる。 / ポール・スミス

ストリートカルチャーにはいつも興味を持ってきました。ロンドンでは、50年代のロックンロールとテディボーイズに始まり、革命的なワーキングクラスの若者が自分用に仕立てた服を着て外見に非常なこだわりを持っていた60年代初期のモッズなど、独創的なスタイルがまさにストリートから作り出されてきたのです。

60年代にサンフランシスコで生まれたヒッピー・レボリューションは、ロンドンでも非常に人気を集めました。当時はアート、写真、音楽やグラフィックスに新しいアイディアが生まれていた頃でもあります。パンク、スキンヘッズ、ニュー・ロマンティックスやゴス、それらもストリート発のものでした。

悲しいかな、ロンドンのストリートからは新しさや創造性はほとんど失われてしまい、同じような服装ばかりが目立つように思います。よれよれのパンツやTシャツ、ぶかぶかのジーンズを腰まで下げて穿いたり。確かにそれも良いのですが、"制服"のように皆が同じような服装をしているのは残念です。

東京にもそんな"制服ファッション"はありますし、ファッションに対する本物の愛情は、必ずしもかつてのロンドンでの流行のようにオリジナルなものではないにせよ、エネルギーに溢れ、組み合わせが面白く、しかもそれが夥しい数、ストリートに広がっています。

水谷孝次の写真は、エネルギーと自然さに満ち溢れながら、東京のストリートの現在を総括しているのです。

ストリートのエネルギーが、私をハッピーにしてくれる。


[ぽーる・すみす / ファッションデザイナー]

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