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MERRY MEMBER




1987年11月18日
京都府生まれ
一日一生。一生一度。

 
Last Updated 2010.9.16



コルカタ、マザーハウスにて。
「Nirmal Hriday(通称、死を待つ人の家)」でお手伝いをさせていただいた。

マザーハウスでのボランティアは6つの家があり、
それぞれ孤児の家、障害者の 家、女性と薄弱者の家、
死を待つ人の家、障害児の家、マザーハウスのブラザーの家である。

死を待つ人の家には、文字通り「死ぬまでの時間を過ごす人が集まる家」である。
体が自由に動かない老人が多く、排便やお風呂も一人ではできない。
スカルが見えてる人も何人かいて、そこからウジ虫がわいていた。

皿洗いから始まり、洗濯、料理を作ったり運んだり、
ご飯を食べさせてあげたり
マッサージをしたり、いわば何でもだ。

昼ご飯の時、驚いたことがあった。

体が動かない方にスプーンで食べさせてあげていた時のことである。
彼は常に無表情で、僕と目を合わせていても、
目は合ってるんだけどどこか遠くを見ているような、そんな老人だった。

口にライスを乗せたスプーンを運び、
彼がとてもゆっくり食べ終われば次また運ぶ。その繰り返し。

すると。。

彼の目から一粒の滴がこぼれ落ちてきた。
彼は無表情のまま。

彼はいま何を想ってるんだろう。
何に対しての涙なんだろう。

もらい泣きしそうなのをぐっとこらえ、僕は黙っていた。
目の前の人を大切にすることの意味が、
なんとなくわかったような気がした時間だった。

大きなことじゃなくていい。
しっかり目の前にあることを大切にしていこうと改めて想った。