
天まで届け、みんなの想い!気仙沼の笑顔の連凧
2012.11.12 14:30

気仙沼で行なわれた、宮城県造型教育研究大会。
笑顔の連凧がみんなの未来への思いを乗せて、空にあがりました。
今回は同行していただいたコンテキスターのフミメイさんにレポートを書いていただきました!
東北の空は低い。ときどき天使が降りてきそうなビームがもれてくる。
雲を突き破って空の上にいる人々に被災した子供たちの笑顔を届けたい。
それが今回のメリーな凧揚げの目的だった。
仙台凧の会の庄子(しょうじ)校長先生は言う。
東北で凧揚げをしていると子供たちは嬉しそうに集まってきます。
その中にひとりで来ている子供がいました。
僕はその子に「お母さんは来ないの?」と聞いてしまった。
その子の表情が変わった。あっ、と思いました。
庄子先生の指導でメリーな凧つくりのワークショップをするのは
宮城県造型教育研究大会参加の先生たち。図工と美術の専門家だけに手際がいい。
すばやくメリー凧を完成させた後はメッセージの書き入れをする。
そして、この先生たちもまた被災者なのだ。おそらく生徒を失った経験もお持ちなのだろう。
仙台空港のすぐそばで壊滅的な被害を受けた閖上(ゆりあげ)地区。
そこの中学校から来た先生は書く。
「早く普通の生活に戻れますように」
石巻の北、雄勝(おがつ)半島から来た先生のメッセージも切実だ。
「学校がほしい!雄勝中。たくましく生きてます」
だって学校がなくなったんだもん、と明るく笑う先生のガッツがメッセージに宿る。
響命、響く命、叫命、叫ぶ命、
さまざまな命のメッセージが笑顔になって空を舞う時が近づいてきた。
空は晴れてきた。あとは追い風だ。空を仰ぐ庄子先生と水谷さん。
子供たちはメリーな傘を持ってスタンバイしている。その明るい笑顔が校庭に映える。
連凧を操るのは仙台凧の会の皆さん。
先生たちが凧を持った手を離すと同時に熟達の技で凧を引く。
「子供たちの笑顔は未来への希望です。天まで届け、みんなの想い!」
水谷さんのメッセージとともに子供たちの笑顔が手の届きそうな雲に向かっていく……。
風よ吹け、笑顔の凧を舞い上げろ、晴れた未来が見える空まで。
田中文脈研究所コンテキスター:フミメイ記